掻いたらミミズ腫れが・・・原因は蕁麻疹?治し方やアレルギーの心配は

掻いたらミミズ腫れが・・・原因は蕁麻疹?治し方やアレルギーの心配は

[公開日]

[最終更新日]2021-08-10

    「かゆいところを何となく掻いてたら、掻いたところがミミズ腫れのようになってしまった」実は、このミミズ腫れは蕁麻疹の一種で、頻繁に起こる場合はアレルギー体質になっているのかもしれません。ミミズ腫れの治し方から原因まで詳しく解説します。

    この記事は約5分で読めます。

    こんな方に見てほしい

    このページは、少し掻いただけでもミミズ腫れができたり、赤みがでたりなどの皮膚症状が気になる方に見ていただきたいページです。

    概要

    掻いたらミミズ腫れが・・・

    かゆいところを掻いていると、掻いたとおりにミミズ腫れができることがあります。これは、皮膚病描画症という蕁麻疹の一種です。

    皮膚描画症は、外部から物理的な刺激を受けることによって起こります。まるで、爪で皮膚に文字を書いたように腫れるので、このような名前がつけられました。掻くだけでなく、下着で締め付けられた跡や、腕にかけたハンドバックの持ち手の後などでも、このような症状がでることもあります。

    ミミズ腫れの治し方

    皮膚描画症そのものは、アレルギーによるものではなく、その人の「皮膚の体質」が原因です。

    蕁麻疹が起こる理由は、皮膚がなんらかの刺激を受けることで、皮膚の中の血管周辺にある肥満細胞からヒスタミンという物資が分泌され、ヒスタミンが毛細血管に作用すると、血管壁が物質を通しやすくなり、血管から周囲の組織への血漿(けっしょう)が染み出るために、赤みのあるミミズ腫れのような膨らみができます。

    皮膚描画症は、皮膚が敏感になっているため、掻くことが皮膚への刺激となり起こります。ほとんどの場合は、数時間程度で腫れが治まります。対処法としては、軽く冷やしたり、市販のかゆみ止めを塗ることで治まってきます。なかなか治らない場合は、皮膚科やアレルギーを持っている人はアレルギー科を受診しましょう。

    蕁麻疹が起こる原因

    蕁麻疹を起こす原因となる刺激には以下のものがあります。

    • 食品
    • そば、エビ、カニ、果物などのアレルギー/サバ、マグロなどの青魚が古くなることでヒスタミンが作られやすくなる/香辛料/食品中の防腐剤/人工色素など

    • 薬剤
    • 物理的刺激
    • 皮膚の摩擦/寒冷/温熱/日光/圧迫など

    • 発汗
    • その他
    • 感染症/疲労/ストレスなど

    蕁麻疹は原因が分かればそれを取り除くことで避けることができます。しかし、皮膚描画症の原因となっているのは、掻くという物理的刺激によるものですが、誰でも掻いたら起こるものではなく、皮膚が敏感な人やアレルギー体質の人によく見られます。そのため、疲労やストレスによって皮膚が敏感になっていることも原因として考えられます。このように、蕁麻疹には、さまざまな原因が関係していることもあり、これという原因を特定することが難しくなります

    放っておくと悪化する場合も

    蕁麻疹は、4~5人に1人が一生のうちに一度は経験すると言われています。ほとんどの場合は、時間が経てば消えてしまうため、放置しておいても大丈夫と思われることが多いのですが、先ほどもお伝えした通り、蕁麻疹にはさまざまな原因が関係しています。

    日本では、蕁麻疹を発症して1ヵ月以内のものを急性蕁麻疹、1ヵ月以上持続するものを慢性蕁麻疹と呼び、慢性蕁麻疹の状態になると非常に治りづらくなります。また、アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー症状を引き起こす場合もあります。

    治療としては、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服する方法がありますが、どの薬をどのくらい飲みつづけるかは、その人がアレルギー体質なのかどうかや、その人の皮膚がどのくらい敏感かによって違ってきます。そのため、皮膚が敏感になっていたり、アレルギー体質の人は注意が必要です。また、日頃からそういった体質改善を心がける必要があります。

    蕁麻疹を予防する方法

    蕁麻疹を予防するポイントは、ヒスタミンの働きを抑えることです。
    蕁麻疹による赤みかゆみを起こしているのが、皮膚がなんらかの刺激を受けることで分泌されるヒスタミンです。そして、かゆみを感じて皮膚を掻くと、さらにヒスタミンが分泌されて、かゆみが増すという悪循環に陥り、どんどん症状が悪化していきます。

    皮膚は表皮の最も外側にある角層のバリア機能によって、ウイルスや細菌などの侵入や水分の蒸散を防いでいます。しかし、ストレスや偏った食生活、間違ったスキンケアなどによって皮膚の水分量が減少すると、皮膚が乾燥しバリア機能が低下し刺激を受けやすくなります。その状態が敏感肌です。自分はアレルギー体質ではないのに、蕁麻疹がたびたび起こる人は、生活習慣を見直してみましょう。

    また、ヒスタミンを分泌しやすい体質にアレルギー体質があります。アレルギー体質とは、免疫が過剰に反応して、本来であれば体に害のないものにまで抗体(IgE)を作ってしまう体質のことです。再びその異物が体内に入ってくると作った抗体で異物を排除しようとします。その際にヒスタミンが分泌されアレルギー症状が起こります。

    アレルギー体質は、体質の問題と思われがちですが、実は、ストレスや疲労、偏った食事などによってアレルギー体質になるとも言われています。本来であれば子供に多いアトピーが、大人にも増加傾向にあったり、花粉症が増えているのもそういったことが原因とされています。

    こちらの図は、花粉症のメカニズムです。
    花粉症の発症メカニズム

    アレルギー体質を改善するために

    花粉症などのアレルギーがどのようにして発症するかご存知ですか?

    アレルギーは免疫バランスが乱れることで、アレルゲンに対して免疫が過剰に反応することで発症します。人の免疫機能には、ウイルスや細菌から守ったり、免疫細胞をコントロールする「1型ヘルパーT細胞(Th1)」と、ダニやほこりなどのアレルゲンに反応する「2型ヘルパーT細胞(Th2)」があり、2つがバランスをとりながら免疫をコントロールしています。しかし、環境や生活習慣によって、Th2が過剰になったりTh1が弱まったりすると、免疫バランスが崩れてしまうのです。

    アレルギーと免疫バランス

    まずは、免疫バランスを正常にするためには生活習慣の見直しが大切です。

    • バランスの摂れた食生活
    • 喫煙はしない
    • お酒を飲み過ぎない
    • 質の良い睡眠をとる
    • 適度な運動をする
    • ストレスを溜めない
    • 体を冷やさない

    日々の生活で、これらのことを意識してみましょう。
    さらに、より効果的なのが、免疫バランスを整える効果のある乳酸菌を毎日摂取すること。なかなか、毎日の生活習慣を急に変えることが難しいという方には特にオススメの方法です。

    免疫バランスを整える効果のある乳酸菌には、カルピスのL-92乳酸菌や菊正宗のLK-117乳酸菌などがあります。それらの乳酸菌が、どのようにしてヒスタミンの分泌を抑えるのかを、花粉症のメカニズムを参考に記載したのが以下の図になります。

    花粉症に効く乳酸菌のメカニズム

    詳しい効果については、こちらの記事「アレルケア「L-92乳酸菌」が効かないと感じたら試してほしいこと」で、わかりやすく解説していますので、併せてお読みください。

    ミミズ腫れができたら生活の見直しを

    今までは気にしたことなかったのに、少し掻いただけでミミズ腫れができたという方は、もしかしたら体が不調を起こしているサインかもしれません。すぐに症状が治まったからと安心せずに、疲れやストレスが溜まってないか、食生活が乱れていないかなど日頃の生活を見直してみましょう。